概要
立部には「立」を筆画の一部として持つ漢字を分類している。
単独の「立」字は立つこと、すなわち両足で体を支え、まっすぐ身体を起こすことを意味する。また「立てる」、すなわち、ものを地面に対してまっすぐに置くことを意味する。また抽象的な意味へと引伸して、ある段階を終えて新しい領域に入ること(成立・自立・立春…)、併存すること(存立・両立・乱立…)、設けること(建立・設立・創立…)、定めること(立案・立志・立法…)、人を重要な地位につけること(立坊・擁立…)などを意味する。
字源としては、「立」字は人が地面に立っている様を象る。
「立」は意符としては立つことに関する文字に含まれることがある。これらは楷書では主に左の偏の位置に置かれる。また「辛」や「䇂」が楷書において省略されて「立」となった文字もある。なお近代になり西洋の自然科学用語が流入した際、日本では容量の単位であるリットルを「立」で表記し、「竓」(ミリリットル)「竰」(センチリットル)「竕」(デシリットル)「竍」(デカリットル)・「竡」(ヘクトリットル)・「竏」(キロリットル)といった和製漢字も作られた。
字体のデザイン差
「亠」同様、印刷書体(明朝体)における「立」字の1画目には地域による差異がある。『康熙字典』はこれを短い縦棒とし、日本・韓国はこれに従う。一方、中国の新字形・台湾の国字標準字体・香港の常用字字形表ではこれを点画としている(「立」と表記)。
部首の通称
- 日本:たつ・たつへん
- 中国:立字旁・立字頭
- 韓国:설립부(seol rip bu、たつ立部)
- 英米:Radical stand
部首字
立
- 中古音
- 広韻 - 立入切、緝韻、入声
- 詩韻 - 緝韻、入声
- 三十六字母 - 来母
- 現代音
- 普通話 - ピンイン:lì 注音:ㄌㄧˋ ウェード式:li4
- 広東語 - Jyutping:lap6 イェール式:lap6
- 日本語 - 音:リュウ(リフ)(漢音・呉音)・リツ(慣用音) 訓:たつ・たてる
- 朝鮮語 - 音:립(입)(rip) 訓:설(seol、立つ) 세울(seul、立てる)
例字
- 立
- 1:䇂
- 5:竝(並→一部)
- 7:竣・竦
- 9:竭・端
- 6:竟・章
- 7:童
- 15:競
脚注



