ゴニオフォリス科(ゴニオフォリスか、学名:Goniopholididae)は、後期ジュラ紀から前期白亜紀にかけて北半球に生息した、正鰐類に近縁なワニ形上目の科。アメリカ合衆国のエウトレタウラノスクス、中国のスノスクスなど、ローラシア大陸から集中的に化石が報告されている。南半球に位置したゴンドワナ大陸からも報告はあるものの、これらは断片的であり、ゴニオフォリス科である確証はない。
外見は既に現生のワニに近く、頭部は扁平で、多くの属種で感覚器官は頭部の上側に位置し、背中には鱗板骨が並ぶ。これらの特徴は既にワニ形上目が半水棲適応を遂げていたことを示唆するが、より派生的なベルニサルティアや正鰐類ではさらに適応度を高めていくことになる。
分布
ゴニオフォリス科はローラシア大陸中に分布し、北アメリカ大陸・ヨーロッパ・中国の中部ジュラ系、タイ王国の下部白亜系から化石が産出している。ゴニオフォリス科と推測される化石は日本の下部白亜系である手取層群北谷層からも産出しており、福井県勝山市の後の恐竜発掘現場から1982年に発見されている。
特徴
現生のワニと比べて特異的な点がいくつか挙げられる。一つは長方形をなした連動する鱗板骨が背中に並んでいたが、これが現生ワニ類よりも少ない2列で、また頸部には存在しなかった点である。また、植竜類と同様に腹側にも皮骨板が存在していた。前肢も非常に長く、特に肩甲骨や手首の骨は後肢と同じかそれ以上の長さがあり、現生のワニとは逆の状態になっている。また、アンテオフタルモスクスなどでは目が前方についており、背側に位置する現生のワニと特徴を異とする。これは現代の種との複数の生物力学的な相違点を示唆している。
内鼻孔は祖先のワニ形上目と比較すれば口腔の奥まで後退していた。内鼻孔が口腔の前方に位置していると水中での開口時や獲物を咥えている際に呼吸不能に陥ってしまうが、内鼻孔が後退したため水中でも呼吸が可能となった。こうした半水棲適応は、ベルニサルティアや正鰐類ではより強化されていく。
分類
以下は、Marco Brandalise de Andrade et al., 2011 に基づくクラドグラム。
出典



![[生物の系統分類] 紅色植物門 写真・動画](http://kccn.konan-u.ac.jp/bio/syst/pages/assets/still/2402a_s3.jpg)
